梅の種類とそれぞれの特徴について

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梅は、花の少ない寒い季節を彩ってくれる可憐な植物です。
梅には果実の収穫を主とする「実梅」と、花を観賞する「花梅」があります。花梅にも実はなりますが、食用には向かない場合がほとんどです。

桜桃梅特集

梅は300種以上ある⁉

花梅は、中国から渡来した梅の子孫(原種)に近い梅は野梅系(やばいけい)、野梅系から変化した緋梅系(ひばいけい)、杏との交配で生まれた豊後系(ぶんごけい)の3系に分けられます。豊後系は杏の性質を強く受け継いでおり、花は紅や白ではなく桃色がかったものも多くみられます。
そしてさらに性質によって9つに分けられ、「3系9性」によって分類されます。
このように梅の種類が多いのは、江戸時代に入ってから盛んに品種改良がおこなわれ、数多くの異なる梅が育成されたためです。一説には300種以上あるといわれていますが、ここでは代表的な紅梅と白梅を4種類ずつご紹介しましょう。

紅梅「八重寒紅」

紅梅「八重寒紅」

八重寒紅(やえかんこう)は、濃い色が鮮やかな八重咲きの梅です。比較的大きな花をつけるので、見応えがあります。

紅梅「八重旭」

紅梅「八重旭」

八重旭(やえあさひ)は、桜のような淡いピンク色の梅で、丸みを帯びた花弁が特徴的です。
格式の高い印象のある梅の中では、もっとも若々しい雰囲気を感じられるかもしれません。

紅梅「鹿児島紅」

紅梅「鹿児島紅」

鹿児島紅(かごしまこう)は、真紅に近い深みのある赤の花が特徴。梅の中でも特に色が濃いものとして知られ、芳香もかぐわしい紅梅です。

紅梅「楠玉」

楠玉(くすだま)は、濃淡のついたピンク色の花弁が可愛らしい印象の紅梅です。花びらが幾重にも取り巻いていて、華やかなイメージ。つぼみも濃いピンク色がキュートです。

白梅「冬至梅」

白梅「冬至梅」

冬至梅(とうじばい)は、冬至(12月21日)頃から花開く早咲きの白梅です。丸い花びらとほのかに桜色がかった色調が幽玄な印象。梅色の萼が白梅の美しさを引き立てます。

白梅「春日野」

春日野(かすがの)は、ふっくらとしたつぼみから開く、丸みを帯びた花が豊かなイメージの白梅です。つぼみはほんのり赤みがかっていますが、真っ白な花が咲きます。

白梅「内裏」

白梅「内裏」

内裏(だいり)はふっくらとした花で香りのよさでも知られる白梅です。八重咲きで寒い季節にもほのかなぬくもりを感じさせてくれます。

白梅「緑萼梅」

白梅「緑萼梅」

緑萼梅(りょくがくばい)は、その名の通り緑色の萼が特徴の白梅です。他の白梅のつぼみや萼は赤みがかったものがほとんどですが、この白梅は赤みのある部位がないのですきっと清涼感のある白い花が咲きます。

実梅について

実梅について

果実を収穫する目的の実梅にも花は咲き、花開けば香りも楽しめます。花が咲いた後すぐに実がふくらみ、梅酒用に漬け込む梅は多くが初夏の青い頃に収穫されます。
初夏に収穫せずに世話をし続けると、次第に杏のようなオレンジ色に変化していき、柔らかく熟していきます。
なお、梅は自家受粉しにくい植物とされています。花も実も楽しみたいという場合は2本以上植えた方がよいでしょう。

梅は品種によって咲く時期も色、かたちも変わる

梅には、以上のような種類がありますが、どれも甲乙つけがたく美しく芳しいものです。冬の訪れと共に咲き、いち早く春の訪れを告げてくれるさまざまな種類の梅を愛でる余裕をもちたいものですね。

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